一度で大きな外力が加わることで起こる、骨折、脱臼、靭帯損傷などです。
治療は初期にRICE療法(安静、アイシング、圧迫、拳上、)で出血を抑え、腫れと痛みを軽減します。
X-P、MRIで損傷の部位、程度を診断します。
MRIの発達で、靭帯損傷の診断や、レントゲンでは分からない骨折の診断ができるようになりました。
まず、手術が必要かを判断します。
手術適応の患者さんはギブスシーネ、三角巾などの処置をして、病状に合った病院を紹介しています。
保存療法では、必要最小限のギブスや装具で固定をします。
その後、関節可動域、筋力の回復のためのリハビリを行います。
スポーツドクターの判断のもとで理学療法士がサポートしスポーツ復帰を目指します。
怪我をしても、ピンチがチャンスになるような医療を目指します。
同じ動作を繰り返すことにより起こる慢性障害で、野球肘、投球肩、ランニング障害、疲労骨折、アキレス腱炎、テニス肘、ジャンパー膝などです。
診断は問診で何時からどのような痛みがどの動作で出るかを確認します。
触診で圧痛部位、靭帯の不安定、関節のゆるさ、筋肉の硬さ、体のバランスを見ます。
足の痛みでは履いている靴も重要です。必要に応じてレントゲン、MRIで詳しく調べます。
痛みは局所の安静と投薬で軽減します。
しかし、障害を起こした原因を改善しなければ再発を繰り返します。
理学療法士は身体全体を見て、障害となる原因を調べ、それを矯正します。
ストレッチの方法、鍛えるべき筋力、力の入れ方、抜き方、立つ姿勢などなどです。
足底板などの装具が必要な場合もあります。
怪我を繰り返さない体を作るスポーツリハビリテーションを目指します。
日本人の寝たきりの原因の第一位は脳梗塞などの麻痺です。第二位は転倒による骨折です。
平均寿命は世界トップですが、生活の質を表す健康寿命は違います。
ピンピンコロリのためには、骨粗鬆症の予防は大切です。
早期に検査し、骨粗鬆症の予備軍から治療を開始すれば、進行悪化を予防できます。
当院でも50代位から治療を開始し、70歳になっても同じ骨密度を維持している患者さんがいます。
また、骨粗鬆症が進行した患者さんでも治療薬の進歩で、効果的な治療ができるようになりました。
現在1000名以上の骨粗鬆症の患者さんを治療していますが、治療を継続されている患者さんはあまり骨折しません。
女性は閉経後 男性は70歳で骨密度測定をおすすめします。
当院ではDXAと呼ばれる精度の高い骨密度測定装置を使用します。
また、糖尿病やステロイド長期服薬患者さん、乳がんで抗がん剤使用患者さん、胃切除、卵巣切など手術を受けられた患者さんなども測定をおすすめします。
骨粗鬆症あるいは予備軍と診断した患者さんに採血をします。
血液検査で、血液中のカルシウムの値、骨の壊れている量(NTX,TRACP-5)、骨を作っている量(PINP)を測定します。
年齢と骨密度と骨代謝からその患者さんに適切だと思われる薬を処方します。
半年後に骨密度と採血を行い、治療の効果を判定します。効果がない場合は治療薬を変更します。
80%の日本人が腰痛を経験します。
85%が原因不明との報道もありますが、原因は3つで 椎間板、椎間関節、仙腸関節のいずれかが原因です。
急性の腰痛は、腰痛の原因を理解し、消炎鎮痛剤服用、コルセット着用、3日程度の安静、生活指導でほとんどの場合1~3週間で改善します。3か月以上腰痛が続く場合は慢性腰痛です。
悪い姿勢や間違った運動で再発することもあります。
腰痛の正体がわからない、再発の不安、将来の不安が、痛みを悪化させているケースもあります。
腰痛の原因を理解し、必要以上に心配しないことが大切です。
安静時の痛み、下肢のしびれ、筋力低下、発熱などを伴う場合は注意が必要です。
再発を予防するためには、腰痛を理解し、体幹トレーニングをしてよい姿勢を保つことが大切です。
当院では患者さんに腰痛の原因を理解してもらい、生活指導を行い、慢性化しないように心掛けています。
専門外来の脊椎専門医はより詳しく分かるようMRIなどを使用し診断をします。
検査で手術が必要だと分かった患者さんは、信頼できる病院に紹介します。
再発を繰り返す患者さんや姿勢の良くない患者さんは、当院のリハビリテーションで腰痛体操を指導します。
痛まない腰を作っていきましょう。
装具外来では、診断に基づいた技師装具士による足底板作成、コルセット作成、その他各種装具を作成し装着し、治療します。
必要な装具を患者さんの状態に合わせて使い、症状の改善を目指します。
足の痛みの原因の多くは、合わない靴です。
人の足の形は様々です。人間は横のアーチと縦のアーチで体重をささえ、2本足で歩行しています。
このアーチが崩れると回内足、外反母趾、モートン病、アキレス腱炎、シンスプリントや膝の痛みの原因になります。
自分に合った靴を選ぶことが大切です。
当院では靴の選び方、履き方の指導をします。
靴だけでは対応できない患者さんには自分に合ったオーダーメイドの足底板をすすめています。
当院で出した処方を元に、シューズ・ラボiで石膏で足の形を取り、足にフィットする足底板を作成します。
傾斜をつけてO脚を矯正し、回内足を予防し、痛みがなく、バランスよく歩ける、走れる足底板を作成します。
治療のための足底板ですので保険が使えます。
※足底板の作成の詳細はシューズ・ラボiをご覧ください。
急性腰痛症にコルセットは有効ですが、急性腰痛症は通常は3週間程度コルセットを着用すればよいので既製品のコルセットで充分です。
腰椎分離症、圧迫骨折、腰部脊柱管狭窄症、側彎変形の患者さんは長期間しっかり支える必要があるのでオーダーメイドのコルセットをすすめています。
関節の靭帯損傷で不安性がある場合は装具が必要です。
骨折の回復期や手術後のリハビリ期間に靭帯を守るためにも装具は必要です。
また、関節炎、腱炎で痛みが強い場合、関節の動きを制限するために装具を着用します。